に投稿 コメントを残す

第1話「パラダイムシフト」7つの習慣をビジネスに応用

私自身はビジネスを成功させるにあたり、自己啓発を行うことでとても素晴らしい影響があったことを自身の経験でよく分かっています。どん底にいたときにいくつかの自己啓発本に出会ったことがきっかけになり、事業を軌道に乗せることができたからです。そのために多くの企業経営者や個人事業主、フリーランサー、さらにはこれから起業したいと考えている方々に自己啓発、その中でも私自身がとても大きな影響を受けたこの「7つの習慣」を、私自身が実践してきたことを踏まえてこれから紹介していきたいと思います。

7つの習慣は2018年の時点で44か国語に翻訳され、全世界3,000万部、日本でも累計200万部を売り上げているベストセラー書。
7つの習慣(原文・オーディオなど)
7つの習慣(日本語訳)

英国『エコノミスト』誌によれば、著者のコヴィー博士は今、世界で最も大きな影響力を持つ経営コンサルタントとされている。またこの7つの習慣は2002年、『フォーブス』誌の「もっとも影響を与えたマネジメント部門の書籍」のトップ10にランクインし、『チーフ・エグゼクティブ・マガジン』誌では「20世紀にもっとも影響を与えた2大ビジネス書」のひとつに選ばれる。
2012年7月16日、自転車事故の負傷がもとでアイダホ州アイダホフォールズの病院で死去。79歳没。

自己啓発に懐疑的な人が多くいることも知っています。それは残念ながら詐欺まがいの情報商材やネットワークビジネスの販売といった、まるでカルト宗教のようないかがわしいビジネスにも取り入れられているということも大いにあると思っています。実際に私自身もこれまでに、話しぶりから有名な自己啓発書やビジネス書に影響を受けたであろう知人や交流会などで知り合った人から、怪しい商品やサービスの営業を受けたことがあるから、そのことはよく理解しているつもりです。

それともう1点、自己啓発といってもその手法は様々であり、それを取り入れるべきかどうかは人によって変わってきますし、タイミング次第ということもあるので、その内容に触れたときに「自分には合わない、必要ない」と感じることもあるでしょう。「7つの習慣」がいかに素晴らしいといっても全ての人に必要であるとは言えないので、もしこれを読んでピンと来なかったとしても問題はありません。例えば学生時代に読んでも何も感じなかったが、ある程度社会経験を積んだ10年後に読み直したら心に強く響いた、なんてこともあるのです。

さらに誤解を招くといけないので補足しますが、この連載企画は名著「7つの習慣」の解説やダイジェストのようなものではなく、あくまで私自身がこの本をどのように理解し、そこから得られた知識を自身のビジネスに取り入れた結果を紹介するものであったり、私の身の回りの事例に照らし合わせて、主観的にこの「7つの習慣」を、この情報の受け手である皆さんにいかに取り入れてもらうべきかという提案であるということを予めご理解ください。

7つの習慣は四部構成になっていて、第一部がパラダイムと原則、第二部が私的成功(第一〜三の習慣)、第三部が公的成功(第四〜六の習慣)、第四部がリニューアル(第七の習慣)と分かれています。基本的には第一〜七の習慣と順に説明していきますが、この本では第一の習慣の前に「パラダイムと原則」という第一部があり、この第一部はさらに「インサイド・アウト」と「人生の扉を開く7つの習慣」に分かれているので、まずは「インサイド・アウト」から始めることにします。

「前置きはいいから早く7つの習慣それぞれをもっと手っ取り早く簡単に教えてほしい」と思った方、まず落ち着いてください。この第一部の中の「インサイド・アウト」に書かれている内容を理解し、それを実践することができれば、もう成功したも同然です。それほど重要なことが書かれており、この約数十ページを読むためだけに7つの習慣を買って読むべきだと個人的には思っているからです。

7つの習慣に入る前の序章とも言える第一部内のこの「インサイド・アウト」には、「パラダイム」と「原則」が詳しく述べられていますが、まずパラダイムについては、この言葉の意味を知ることと、パラダイムが変われば今この目で見ている世界が変わるということを説明しています。そしてこのパラダイムが変わっても原則は変わらないという観点から、著者のスティーブンRコヴィー博士が定義するいくつかの原則について、そしてこれら原則に重きを置き、自身の土台にすることの重要性と、この原則を取り入れることこそが真の成功と永続的な幸福につながるということを説いています。

パラダイムという言葉の意味を理解することについて、著者は「パラダイムの意味を知り、その転換方法を理解する」ことが、7つの習慣を理解する上で必要である」と書いているので、まずはパラダイムが何かということについて、この本に書かれている内容をもとに解説します。一般的には「パラダイムシフト」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょうが、パラダイムとは、もともとは「模範」を意味する科学上の用語です。トーマス・クーンという学者の「科学革命の構造」という著書で初めて「パラダイムシフト(パラダイム転換)」という言葉が使われました。クーン氏は「科学分野の試みにおける全ての大きな突破は、伝統や古い考え方、古いパラダイムを破ることから始まる」と主張しています。

パラダイムシフトの例として7つの習慣の中で挙げられているのが、例えばそれまで長い間当たり前のように信じられていた天動説に対し、コペルニクスが太陽を宇宙の中心に置く「地動説」を唱えたことや、大きな革新を起こしたアインシュタインのパラダイム、アメリカのリンカーン大統領が1863年に行った有名な演説「人民の人民による人民のための政治」で民主主義の原則を明確に示したことなどが挙げられます。

それ以外で、近代に限って言えば、iPhoneの存在が挙げられるでしょう。アップルの基調講演にてスティーブ・ジョブズが行ったiPhoneのプレゼンで、電話とiPodとインターネットが1つになった、と語ったことで世界中に与えたインパクトはとても大きなものでした。

もし分かりづらければ、パラダイム=(自分が思い込んでいる)常識と理解してもらえれば問題ありません。人は誰もがそれぞれのパラダイムを持っているということ、そしてあらゆる物事に対して「それはこうだ」とか「それはこうあるべきだ」と「思い込んで」いるだけなのです。つまり、私達が日常的に行っている発言や行動、生活習慣、考え方というのは、全てこのパラダイムに基づいています。

日常的なビジネスのやり取りにおいてこれを当てはめると、ウェブビジネスのサポートを主業務にしている私が目にするのは、例えば以下のようなケースです。

  • ホームページを作れば、とりあえずある程度集客はできる(SEO対策が重要であるという以前に、まずサービスの中身が全てである)
  • 自分が求めるものと人が求めるものは一致している(実際に自分でビジネスを始めたことがある人なら分かるが、むしろ一致しないことがほとんど)

思い込みが強すぎて失敗する人はとても多いのです。新しく吸収した知識を柔軟に受け入れる姿勢であったり、常に「自分のこの考えは果たして正しいのか? このやり方に問題はないのか?」と疑い、答えを見つけていく作業がとても重要であることは間違いありません。よく「昔は良かったのに」と嘆く人がいますが、そういう人ほど商品や提案、宣伝などの手法を変えないままでいる場合がほとんど。ウェブの世界で言えば、今やほとんどのサイトがスマホで見られる時代なのに、レスポンシブ(デバイスによって自動的に表示が最適化される機能)に対応しておらず、10年前と変わらないデザインなのに、Googleの検索順位がどんどん下がっていると嘆いても始まらないということです。

個人レベルで見ると、通常は、自らに降りかかる出来事によってパラダイムシフトが起こることが一般的です。例えば、肝臓を悪くして医者にかかったときに、初めてこれまでの生活習慣を反省し、酒を飲む量を減らそうと決意します。これをビジネスで考えると、問題意識を持つことがまず第一歩ということになります。つまり「なぜ売上が減っているのか」「なぜこれだけ必死にやっても利益が出ないのか」といったものです。

起業したとしても必ず成功できるとは限りません。大きく成功できる人は数%、そこそこ稼げる程度でも10〜20%がいいところでしょう。言い換えれば、それ以外は失敗するということです。パラダイムとは、簡単に言えば「常識」です。常識とは、全員ではないが、多くの人にとって当たり前という意味でもあります。そして当然ながら、人それぞれがそれぞれの違った常識を持っているのです。私自身、多くの起業家と付き合ってきて、成功している人は多くの人が持っている常識と違う常識を持っているということを強く確信しています。

つまり、自分の中のパラダイムシフトを自らの意思で意図的に起こすことによって、ポジティブな変化を大きく遂げることができるようになる、ということです。これでビジネスにおけるパラダイムシフトの重要性がご理解頂けたでしょうか? 例えばこの7つの習慣を読み、今までの自分が持っていなかった新しい考え方を身につけるということも、自分の中で起こるパラダイムシフトです。頑固だったり、何に対しても否定的、批判的な考えを持っていると、パラダイムシフトを起こすことができず、ほとんどのケースにおいてマイナスの効果しかもたらしません。成功したければ、まずはこの凝り固まった思い込みを捨てることから始めるべきです。

次回は「原則」の話をする予定です。

↓いいねもお願いします!


コメントを残す